神戸地方裁判所姫路支部 平成3年(ワ)402号 判決 1992年4月17日
主文
1 被告は原告松本昌明に対し七九万七六二〇円、原告松本秋雄に対し三五万五〇〇〇円およびこれらに対し平成三年六月二八日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。
2 原告らのその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを五分し、その三を原告らの、その二を被告の各負担とする。
4 この判決の第一項は仮に執行することができる。
事実及び理由
一 請求の趣旨
被告は原告昌明に対し一四五万七四六〇円、原告秋雄に対し一三二万円およびこれらに対し平成三年六月二八日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。
二 事案の概要
本件は、原告昌明が原告秋雄所有の普通乗用自動車を運転中に、被告運転の普通乗用自動車に衝突されて受傷し、かつ運転車両が破損したことにつき、原告両名の自賠法三条、民法七〇九条に基づく損害賠償請求の事件である。
被告は平成二年一二月一七日午前九時三五分ころ、被告所有の普通乗用自動車を運転して、加西市福居町八七番地先路上を北から南へ走行中、対向車線を走行中の原告昌明運転の普通乗用自動車と衝突し、原告車を破損し、原告昌明を負傷させた。
原告昌明は頭部外傷Ⅰ型、顔面擦過傷、頸部捻挫の傷害を負い、平成二年一二月一七日から同年同月二一日まで市立加西病院で、同年同月二五日以降前野整形外科で治療を受けた。
原告昌明の損害は、1治療費 二三万〇八四五円、2休業損害 一〇万九一九三円、3代車代 六〇万円、4通院交通費 四万四八四〇円、5慰謝料 一〇〇万円、6弁護士費用 二〇万円、合計二一八万四八七八円であるところ、七二万七四一八円の支払を受けたので残額は一四五万七四六〇円となる。
原告秋雄の損害は、1修理代 一九七万八三三〇円、2レツカー代・車預け料 一〇万五〇〇〇円、3評価損 一一一万五〇〇〇円、4弁護士費用 一〇万円、合計三二九万八三三〇円であるところ、一九七万八三三〇円の支払を受けたので残額は一三二万円となる。
被告は、本件事故につき自賠法三条、民法七〇九条に基づき損害賠償義務のあることは認めている。
三 判断
被告が、自賠法三条、民法七〇九条に基づき、本件事故による損害を賠償すべき義務があることは、被告において認めるところである。
原告昌明の損害
1 治療費 二三万〇八四五円
原告昌明は本件事故で受傷し、市立加西病院と前野整形外科で通院治療を受け、治療費として合計二三万〇八四五円を要した。
2 休業損害 一〇万九一九三円
原告昌明は、本件事故で受傷したことにより、平成二年一二月一七日から平成三年一月四日までの一九日間稼働できず、当時の収入は一日五七四七円であつたから休業損害は一〇万九一九三円となる。
3 代車料 三〇万円
原告車は本件事故により破損し、その修理後平成三年四月二一日に引渡されたが、原告昌明の本件事故前の同車の使用状況、本件事故後の必要性等を考慮すると、一日五〇〇〇円の割合により六〇日間とするのが相当である。
4 通院交通費 三万五〇〇〇円
原告昌明は本件事故で受傷したことにより、市立加西病院に三日間、前野整形外科に三八日間通院したことが認められ、事故当日はタクシーを利用する必要があつたこと等を考慮すると、通院交通費として合計三万五〇〇〇円を本件事故による損害とするのが相当てある。
5 慰謝料 七〇万円
6 弁護士費用 一五万円
原告昌明の損害は、右の合計一五二万五〇三八円となるところ、そのうち七二万七四一八円の支払を受けたことは同原告の自認するところであるから、残額は七九万七六二〇円となる。
原告秋雄の損害
1 修理代 一九七万八三三〇円
本件事故により、原告秋雄所有の普通乗用自動車が破損し、その修理のために合計一九七万八三三〇円を要した。
2 レツカー代・車預け料 一〇万五〇〇〇円
原告車は本件事故により破損し、レツカー代と車預け料として合計一〇万五〇〇〇円を要したことが認められ、右は本件事故による損害と認めるのが相当である。
3 評価損 一五万円
本件事故による原告車の評価損につき適確な立証を欠くけれども(甲七の一・二はその証拠とすることはできない)、原告車の修理に要した修理費等を考慮すると一五万円とするのが相当である。
4 弁護士費用 一〇万円
原告秋雄の損害は右の合計二三三万三三三〇円となるところ、そのうち一九七万八三三〇円の支払を受けたことは同原告の自認するところであるから、残額は三五万五〇〇〇円となる。
以上のとおりであつて、被告は原告昌明に対し七九万七六二〇円、原告秋雄に対し三五万五〇〇〇円およびこれらに対し平成三年六月二八日から支払ずみまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務があることになる。
よつて、主文のとおり判決する。
(裁判官 糟谷邦彦)